「Umidass」代表の秦さん(左)と。

お寺のウラにある、ゆる~いスペース

大阪空港からモノレールに乗って2駅。豊中市柴原町の静かな住宅街に「Umidass」さんはあります。こちらは、サイルの提携団体としてもご協力いただいているコワーキングスペースです。
近年、次々と誕生しているコワーキングスペースですが、「Umidass」にはほかにはない特徴があります。それはお寺にあるということ。信長による摂津攻めの戦乱で焼失後、1644年に再興されたという古寺「安楽寺」の本堂の裏手、もともとは法事の会食などに利用されていた建物を利用しています。

フロア構成もユニークです。個人作業に集中できるデスクが設けられたメインスペースのほかに、長机を好きに配置できる「和室スペース」、公文式の授業としても使われる「教室スペース」、さらに以前は住まいとして使われていたキッチン付きの部屋もあります。フリーランスの人たちの利用だけでなく、レンタルスペースとしてカルチャー教室、主婦の人たちの集まりなど、様々な形で利用されているのです。

「安楽寺」の本堂。Umidassがあるのはこの裏手。

境内には豊中市指定の天然記念物、蘇鉄。樹齢は400年以上!

こちらが今回訪れたUmidassの建物。

そんなスペースをつくった代表の秦 博雅さんは、やはり(?)ユニークな方でした。以前の仕事はWebコンサルティング会社のプロジェクトマネージャー。大規模サイトの構築に尽力し、会社も年を追うごとに成長していきました。
ところが、11年勤めたところで「何だか疲れてしまった」と退職。その後、2年間は自宅でネットショップを運営して生活をしていたそう。そして、2015年6月に友人と2人で「Umidass」を立ち上げました。現在はこの「Umidass」のほかに、コワーキングスペースのポータルサイト「cocopo」の運営、さらには安楽寺の副住職としても活動されています。

秦さんが「Umidass」を始めたきっかけのひとつは、地域の交流の場づくり。「ひと言でコワーキングスペースといっても、立地によって求められるスタイルが違うと思います。うちの場合は、お寺ということもあるんですが、地域の人たちが気軽に集える場を提供することが大事だと考えました」と秦さん。都心のコワーキングスペースと比べると、どこかゆるい空気を感じるのは、そうした想いから生まれているのかもしれません。

副住職でもあるというとにかくユニークな秦さん。

コワーキングスペースで生まれる新たな働き方

とはいえ、仕事に集中して取り組めるスペースも備えているので、フリーランスの方の会員も多いそうです。そこには、秦さんが「Umidass」を始めたもうひとつの想いがあります。
「もう少し会社や組織に縛られずに、個人が自由に能力を発揮する働き方があってもいいと思うんです。そもそも私も会社での働き方に疲れてしまったので(笑)。うちの会員の方の職種はバラエティ豊か。旅行業やMICE(会議・研修・セミナー)のコーディネーター、高校生の起業家もいます。そうした人たちの活躍に、Umidassが役立てたら嬉しいですね」。

フリーランスでも、自宅やシェアオフィス、自身でオフィスを構えるなど、働く場の選択肢は様々にあります。そのなかでコワーキングスペースを利用するメリットを秦さんは“インプット”だといいます。

「私は、今は2人で仕事をしているんですが、もしオフィスを借りて2人だけで仕事をしていたら外から情報が入ってこないと思うんです。例えばスマホのアプリの使い方がわからなかったら、一つひとつネットで調べていくことになると思う。でもコワーキングスペースなら、ちょっと休憩時間とかに“これって知ってます?”って聞けて、“それならほかにもこうしたやり方が…”って新たな情報が入ってくる。一見、些細にも思えるそんなことが、仕事のアイデアになったりするんですよ。それに、コワーキングスペースには自分とは全然違う世界の人がたくさんいる。そうした人たちからのインプットは大きなメリットだと思います」。

Umidassのメインスペース。

こちらは和室スペース。

住居として使われていた場所もスペースとして利用できる。

地域の人たちの交流と、新しい働き方のサポートをコワーキングスペースによって実現しようとしている秦さん。「Umidass」だけでなく、全国各地のコワーキングスペースの活性化のために、ポータルサイト「cocopo」も立ち上げています。「実際に取材に行って、いろんなコワーキングスペースを見て、話をうかがったりしています。そうして情報発信をしながら、コワーキングスペースがどんどん広がっていくことを願っています」。

直接、人と人とが交流しながら、多彩な才能が生まれるコワーキングスペース。サイルでも、Umidassのようなユニークなスペースと連携して、フリーランスの人たちと企業との橋渡しができればと思っています。

秦さんのお父さんでもある、「安楽寺」住職のお言葉。

新聞にも取り上げられ、地域のコミュニティスペースとしてさらに発展しています。

料金は、利用時のみ支払う「ビジター会員」で1時間200円、1日最大1500円。ほかに、月額支払いの「メンバー会員」、スペースの貸切利用がある。

Umidass
住所:大阪府豊中市柴原町5-5-23 2F
TEL:06-6849-8511
http://umidass.com/